中小零細の人手不足はアウトソーシングで解決できるか?

2018年と比較すると2019年はおよそ2倍のペースで人手不足と言われています。大手と比べて採用も厳しい時代、なので「この業務をアウトソーシングしようかな?」と経営者から相談を受ける事が多くなりました。そういうときは大抵、「社長ちょっと待って下さい。」とお伝えしています。

意外と知らないアウトソーシングのデメリット

今、特に若い世代では「働き方改革」以前に「生き方改革」が起きており、「お金」や「やりがい」よりも「休み」や「プライベート」を重視する考えが広まっています。

また、若い世代は人口が少なく、消費傾向も細い、こうした前提の上で、前述しましたが中小企業の人材採用は今後更に厳しくなってくるでしょう。

では我々中小零細企業は、この未曾有の人手不足をどうやって解消していったら良いのでしょうか?

実は、「正社員採用」、「派遣社員」、「アウトソーシング」といろいろある中で、一番おすすめ出来ないのが実は「アウトソーシング」なのです。

ですので、アウトソーシングの相談があると「止めておきなさい」と一般的には申し上げている訳です。

 

話は少し変わりますが中小零細に就職したくない理由の1位をご存知でしょうか?それは「給料が安い」や「休みが少ない」といった理由と同じくらい重要視されている事柄です。

それは、「仕事を教えて貰えないから」という理由。

おいおい、仕事なんて「見て盗んで覚えるもの」とお嘆きの経営者の方も多いと思います。しかし、実際には大手企業ほど研修に時間やお金をかけていられないという事も現実にある訳です。また研修だけなく、それ以前にキチンとした業務設計が出来ていない中小零細も多いと感じています。

よく有りがちなのが、「俺の言う通りにやれ」と普段は言っておきながら、何かトラブルがあると「なぜ臨機応変に対応できないんだ」と怒り出す上司。指摘はしないものの部下は上司の自己矛盾をよーくみていますよ。気をつけましょう。

 

話をアウトソーシングに戻します。

上記のように「業務設計」が出来ていなかったり、「指示系統」に自己矛盾を抱えていたりする場合、アウトソーシングすると必ず失敗します。

 

「いやいや、そこは各業務のスペシャリストなんだから上手くやってよ。」

 

という社長さんも多いですが、「専門性」にたどり着く前の「普遍性」でコケている訳ですから、どうにもなりませんよ。なので、イメージでいうと

正社員 < 派遣社員 < アウトソーシング

という具合に導入の工数がかかるよと認識して頂きたいという事です。その際に意識して頂きたいのは社内のローカルルールは全く通用しないという事。

 

膝つきあわせていれば何でもない事でも、遠隔で成立させるにはそれなりに準備が必要という事です。

本来、アウトソーシングって誰得?

なので、「アウトソーシングしたい」という相談を受けた時に、

 

「業務設計が出来ているか?」

「指示系統に自己矛盾がないか?」

 

という部分をまず見ます。

それから次にアウトソーシングのデメリットを理解出来ているかという部分を見ます。

具体的には、

 

・高コスト

・社内ルールの拒否

・情報漏洩リスク

・ノウハウの消失

 

当たり前ですが向こうもボランティアでなく商売でやっているので、自前よりも割高になりますし、こちらのルール通りに動くとは限りません。また、情報漏洩は原因を調査していくだけでも数百万円かかる事もあります。それから自社ノウハウが蓄積できないという部分もかなり大きなデメリットです。もっともテストマーケティングであったり、季節性が高い業務などは自前でやるよりもアウトソースする方が良いと思いますが。。。

少数精鋭の功罪

じゃあ結局、中小企業はアウトソーシングしない方が良いの?と思われるかも知れません。いろいろ書きましたが、結論はケースバイケース。導入した方が良い場合もあれば、しないで自前でやった方が良い場合もあります。

ただ、何を選択し何を捨てるかという部分が明確でない場合は工数ばかりかかって失敗するでしょう。「なんとなくアウトソーシング」というのはみんなに迷惑なので絶対止めた方が良いという事です。

クラウゼヴィッツが異兵種の混合編成が重要と説いたように、どう組み合わせていくかに心血を注いだ方が良さそうです。正社員ばかりで少数精鋭の筈が、風通しの悪い社風になっている事は珍しくありません。このあたりの事柄は「売上不振の原因」というテーマで別の機会に書いてみたいと思います。

 

経営者の方にいつも言っていますが、「編成が8割」ですから、良い戦力の編成ができるようにアウトソーシングも上手に利用したいですね。

最後までご購読ありがとうございました。

次回の更新をお楽しみにお待ち下さい。それではまた。

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